中国の陶磁・拓本・絵画など、約700点を収蔵。
陶磁は明時代中後期に焼かれた古赤絵と呉州赤絵、明時代末期~清時代に作られた古染付と呼ばれる磁器が中核をなす。いずれも民窯で輸出用に生産されたものが殆どである。古染付は日本の茶人たちの注文品であるが、その自由な絵付に着目し、当館では佳品を数多く蒐集している。そのほか漢代の「厨子型明器」、宋代の民窯である磁州窯の「白掛鎬文碗」「白掛鉄絵蓋物」など、さらにベトナム陶器の安南染付、タイ陶器の宋胡録なども所蔵している。
拓本は漢~六朝時代の石碑から採ったもので、拓という間接表現の美を提示するため多数蒐められた。特に梁の武帝が座右の銘として刻んだ梁武事仏碑の拓(伝宋拓)は優品で、碑が落水したため当館蔵品のみ存在が確認されている。
絵画では元~明時代のものを少数所蔵。これらは室町~桃山期に請来した宋元画の流れをくむ細密画である。いわゆる民画ではないが、民画と共通する工芸的表現や美質を有していることが所蔵中国絵画の特色といえる。