江戸時代を中心とした木工および漆工約1,200点と、木喰仏(もくじきぶつ)などの木彫類約80点を収蔵。
漆工では、瓶子や箱、盆、椀などに朱漆で文様が施された漆絵による漆器が最も数多い。また、漆絵に金箔による菱文を加えた秀衡椀(ひでひらわん)も有している。そのほか、螺鈿や卵殻で模様をあしらったものなどもあり、皮革を漆で塗り固めた漆皮箱なども所蔵している。
木工は、囲炉裏で用いられた自在掛や横木、墨壺や喫煙具、菓子型などのほか、厨子や仏教版画の版木といった信仰に関わるものなど、幅広い分野にわたっている。また調度類では帳箪笥や車箪笥などのほか、千石船で使用された船箪笥がある。そのほか、山桜などの樹皮を用いて作られた樺細工なども所蔵している。
彫刻では、江戸後期の木食僧・木喰明満による奔放さと独創性に富む木彫仏をはじめ、民間の木彫仏や、神社などに奉納された仮面や獅子頭、そのほか面型などを多く所蔵している。