約600点の朝鮮陶磁器を収蔵。国内屈指の質と量を誇っている。
そのほとんどは、創設者柳宗悦の審美眼によって蒐集されたもので、高麗時代の陶磁器もわずかに含むが、その蒐集品のほとんどは朝鮮時代(1392-1910)に作られた陶磁器の数々である。内容は、三島手や刷毛目などと呼ばれている粉青沙器の碗や瓶、白磁の無地の壺や祭器、白磁に染付(青花)・辰砂・鉄砂で絵付けされた壺や瓶や皿、そして雑器の持つ粗野で健康的な美を秘めた大振りな井戸茶碗、黒釉や飴釉陶器の壺や鉢や瓶などである。また、染付や辰砂が施された魚・蛙・鳥・桃・家など、様々な形をした水滴が数多く所蔵されている。儒教が国教となり学問が尊ばれた朝鮮時代には、多種多様の文房具類が生み出され大切にされていた。
なお、一般に「李朝陶磁」の名で知られている朝鮮時代の陶磁器の真価を、広く世に知らしめたのは柳宗悦の功績であった。柳はそこにこそ「朝鮮固有の美」を見出したのである。