朝鮮半島で作られた19世紀を中心とする朝鮮時代後期の木工品や漆工品など約400点を収蔵。
いずれも生活に根ざして生まれたもので、内容は大型の家具をはじめ、机・膳・箱・脇息などの調度類、片口や刳鉢などの台所道具、装身具・糸巻き・物差・手鏡・水呑み・火薬入・網巾(マングン、頭髪を巻く布)筒といった小品類など、その種類は多岐にわたっている。
それらの多くには絵付けや線彫や透彫などによる装飾や、螺鈿細工や華角貼(水牛の角を薄い板状に加工し、裏面から豊かな彩色で絵付けして器物に貼ったもの)細工による装飾が施されており、その独自の造形美には目を見張るものがある。
柳宗悦は早い時期から朝鮮半島で作られた木漆工品の魅力に眼を向けており、「木工品でどこのものが好きかと問われたら、西洋では英国のもの、東洋では朝鮮のものである」と答えていた。