朝鮮半島で作られた、石工品・金工品・編組品・紙工品などの諸工芸品約400点を収蔵。
特筆すべきは石工品であろう。朝鮮半島は石材に恵まれた土地で、古来より石の仕事が盛んであった。当館には石仏をはじめ、大型の火鉢・香炉・鍋、そして筆筒や燭台や硯・水滴などの文房具類、また薬煎・碗・箱などの小品が数多くある。石という素材の性質を生かした造形的な力強さもさることながら、丁寧で繊細な石彫りの細工が見事である。
また、金工品では大型の鉄甕や、真鍮を素材とした容器や鍵類、鉄製の素地に吉祥文を銀や鉛で象嵌した筆筒や煙草入などがある。それらの多くは19世紀のものであるが、1930年代に朝鮮半島を巡った柳は、そこで用いられていた編組品(藁や竹や草を材料にして作った篭や箱や箒など)や団扇などの紙工品にまで蒐集の眼を向けた。