併設展 2017年6月27日(火)–8月27日(日) 特別展:色絵の器 —天啓赤絵・呉州赤絵・古伊万里赤絵— 本館1階 玄関回廊色絵の器 -伊万里焼を中心に 色絵熨斗菊文髭皿伊万里 江戸時代 18世紀前半径28.5㎝ 第1室日本の古陶 当館の所蔵する日本の陶器の多くは民窯の品です。民窯とは民衆の日常品を生産した窯のことで、甕・壺・皿・鉢・碗・片口・擂鉢などが大量に作られました。この部屋では、唐津や小代や薩摩などの九州諸窯の陶器中心に、丹波・瀬戸・美濃などの民窯で作られた古陶の優品を紹介します。 鉄絵緑彩蛇の目文皿唐津・武雄 17世紀径37.0cm 第2室日本の諸工芸 豊かな自然環境を持つ日本列島では、各地で様々な工芸品が作られました。この部屋では、藁や木綿や樹皮などを用いた蓑や背当(バンドリ)、桜の皮を使った樺細工、鉄製の釜や錠前、囲炉裏で用いる自在掛や自在横木などの木工品、ガラスの鉢や蓋物などを紹介します。 宝珠型壺江戸時代 19世紀高12.4cm 第3室日本の絞り染 絞り染は布をつまみ糸で巻上げたり、縫い絞めたりしたあと染液に浸す単純な技法で作られます。糸を解くと白く残った模様が表れます。多くは木綿地に藍で染め、浴衣などに用いました。涼やかな藍染のほかには紅花・紫根・茜で染めた華やかなものもあります。 木綿藍絞り染七宝繋ぎ文様裂(部分)明治~大正時代 有松・鳴海 本館2階 第1室朝鮮時代の陶磁 ―染付・鉄砂・辰砂― 朝鮮半島では色絵の技術が確立されませんでしたが、15世紀以降に酸化コバルト顔料を使用した染付(青花)、鉄絵具を用いた鉄砂、銅顔料を用いた辰砂などで文様を描いた陶磁器が製作されました。本展示室では、朝鮮時代の文様文化を伝えるこれらの陶磁器を紹介いたします。 染付鳥文盒子朝鮮時代 19世紀末期径5.3㎝ 第2室工芸作家の色絵 古陶磁の技法や表現を取り入れながら独自の作風を作り上げた濱田庄司は、戦前に訪れた沖縄で目にした琉球赤絵に魅かれ、自身も製作を試みました。本室では、濱田による赤絵や、芹沢銈介ら工芸作家による沖縄・壺屋の陶器の生地に描かれた色絵を中心に紹介します。 赤絵黍文角扁壺濱田庄司 1938年高15.0cm 第3室中国・朝鮮の絵画 当館にある朝鮮絵画の多くは、柳宗悦が「民画」と呼称した無名の画工によって描かれたものです。対照的に院体画の流れをくむ写実的で精緻な花鳥画なども、中国・朝鮮の作として所蔵されています。いずれも模様にまで昇華された工芸的な絵画といえるでしょう。 玉簪花遊蝶図(部分)明時代 15世紀 第4室日本の漆工芸 当館には日本の漆工品が約500点収蔵されています。華やかな漆絵が加飾された瓶子や椀、根来と呼ばれる朱漆で仕上げられた盆、螺鈿や卵殻が施された箱類、さらに朱色が印象的な沖縄の漆器など、本室では用途や産地が異なる多彩な器を紹介します。 漆絵柏文瓶子室町時代 16世紀高30.0cm 西館(旧柳宗悦邸)※西館公開日のみご覧いただけます。 2階柳宗悦記念室 日本を代表する思想家で、日本民藝館の創設者である柳宗悦(1889–1961)。この「柳宗悦記念室」では宗悦の身辺の品や、アルバム写真、自筆原稿、出版物などの資料を展示して、その生涯を顕彰します。 1階柳兼子記念室 女性声楽家として活躍し、また夫・宗悦の仕事を物心両面にわたり支えた柳兼子(1892–1984)。かつて音楽室として使われていたこの記念室では使用していたピアノをはじめ、自筆楽譜、演奏会プログラム、ポスターなどの資料を随時展示し、その生涯を顕彰します。 開館日カレンダー