日本民藝館

西館(旧柳宗悦邸)

本館道路向いに建つ西館(旧柳宗悦邸)は、栃木県から移築した石屋根の長屋門と、それに付設した母屋からなっている。日本民藝館開館1年前の1935年に完成、母屋の設計は旧館と同じく柳宗悦。72歳で没するまで、宗悦が生活の拠点とした建物である。2021年に東京都指定有形文化財(建造物)に指定された。

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玄関

柳兼子記念室

長屋門北側一室には柳兼子記念室がある。宗悦の妻兼子(1892-1984)は日本を代表する声楽家で、大正初期の楽界創生期より盛んな演奏活動を行い、近代声楽法の確立に大きく貢献した。戦後は国立音楽大学の教授に就任、1965年には女性初の芸術院恩賜賞を受賞した。その生涯を顕彰するため2010年4月より開室している。

母屋外観と中庭

食堂

1階の食堂にはゲートレッグテーブルと英国ラダーバックチェアーが並ぶ。柳家の人々は飾り棚に並んだ工芸品や壁に掛けられた絵画、西欧の家具などに囲まれながら、宗悦の選んだ食器を用いて生活を楽しんでいた。板張りの床から一段上がったところには和室を設けて床の間を配し、和洋折衷の空間としている。

客間

1階奥の客間は、宗悦の母勝子の居室として作られた。宗悦の意匠による付書院があり、床左の押入には紅型を想わせる芹沢銈介作の型絵染小襖が上下に設えられていた(通常は非公開)。部屋の仕切りには葛布の襖がはめられ、南側の障子からは柔らかな光が部屋をつつみ込んでいる。

書斎

2階中央に、柳宗悦の書斎は作られた。民藝美論や仏教美学など、宗悦は多くの優れた著作をこの部屋から生み出した。壁にかけた美しい絵画や座右に置かれた工芸品、黒田辰秋作の机、天井にまで並ぶ蔵書に囲まれながら、宗悦は飽くことのない思索と旺盛な執筆活動をこの場所で行ったのである。

  1. 玄関
  2. 柳兼子記念室
  3. 母屋外観と中庭
  4. 食堂
  5. 客間
  6. 書斎

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