併設展 2015年3月31日(火)-6月21日(日) 特別展:愛される民藝のかたち—館長 深澤直人がえらぶ 本館1階 玄関回廊郷土の人形 江戸時代後期から明治期にかけて作られた、日本の古人形を紹介します。福島県の三春人形、宮城県の堤人形、山形県の相良人形、埼玉県の鴻巣人形など、土地で暮らす人々の間で親しまれた人形たちの生き生きとした姿をご覧下さい。 三春人形 高砂江戸時代後期 19世紀前半高14.1cm(右) 第1室日本の陶器 当館所蔵の日本の陶器は、九州や東北、関東の諸窯・丹波・瀬戸など、各地で作られたものです。主に民衆の普段使いに供した品々で、民窯と呼ばれた窯で生まれました。それらは自然の恩恵を深く受けた材料や手法を用い、健やかで豊かな美しさを宿しています。 黒釉貼付牡丹文甕 薩摩・苗代川江戸時代 18世紀後半高26.5cm 第2室アフリカの造形 館が所蔵するアフリカの工芸品類は1980 年代以降集中的に蒐集されました。多様な表情を見せる仮面・ラフィアや樹皮を用いた衣装類・陶器の壺・ナイフ形の貨幣等、みな生活に根差した造形で、その多くは信仰や祈りと深く関わり原始の息吹を今に伝えています。 仮面 ゲ・ゴン ダン族 コートジボワール 20世紀高30.5㎝ 第3室日本の染織 100年程前までの日本では、植物染料で染めた糸で織った、麻や木綿の着物や仕事着が日常当たり前に用いられていました。縞・格子・絣の着物をはじめ、僅かな残糸も無駄にせずに織った、てらいのない素朴な布を中心に展示致します。 屑糸織やたら縞蚊帳地(部分)明治時代 19世紀 本館2階 第1室朝鮮半島の陶磁器 朝鮮陶磁器においてとくに白磁は、シンプルでありながらも、多くのイメージを私たちに与えてくれます。見る角度、時間の経過、置かれる場所、様々な環境のなかでその表情は変化していきます。こうした奥深い魅力を持つ白磁を中心に、朝鮮半島の陶磁器を紹介します。 白磁おろし器朝鮮時代 19世紀末高16.7㎝ 第2室濱田庄司作品 ―柳宗悦が見た濱田作品 濱田庄司(1894-1978)は、当館創設者・柳宗悦(1889-1961)が最も高く評価した作陶家の一人です。柳最後の編著作『濱田庄司作品集』(1961年)には、柳が見た濱田作品の精華が示されています。その掲載作品を中心に、柳家で使用された作品を交え、柳が見た濱田作品を検証します。 象嵌茶碗 濱田庄司1942年径11.3cm 第3室柳宗悦の表装 ―江戸時代の絵画を中心に 当館が所蔵する絵画の多くは、柳宗悦が蒐めたものですが、柳はそれらに古布や陶軸などを用いて独創的な装案を施し、作品自体の魅力を効果的に引き出しました。本展示室では、江戸時代の絵画などに施された、柳の「創作」とも言える掛幅装や屏風装などの装案の仕事を紹介します。 一休和尚と地獄太夫江戸時代 17~18世紀幅33.8cm 第4室編組品と木工品 竹や藁、蔓や樹皮など、身近な自然の材料を編んで作られる編組品と木工品を併せて展示します。かご、ざる、箒、自在横木など、農や漁の道具、あるいは台所や囲炉裏回りの生活用品として活躍したものを中心に、実用品のもつ造形美を紹介します。 竹米揚笊 岩手県1934年 20世紀幅30.0cm 西館(旧柳宗悦邸)※西館公開日のみご覧いただけます。 2階柳宗悦記念室 民藝運動において、多くの工芸品を新しい視点で紹介し続けた雑誌『工藝』。この雑誌は、装丁に芹沢銈介をはじめとした優れた工芸作家が関わったことでも知られています。第5年~第6年(1935–37)を展示した前回に続き、第7年~第8年(1937–39)に刊行された24冊の『工藝』を展示いたします。 『工藝』90号 1938年日本民藝協会装丁・鈴木繁男 1階柳兼子記念室 女性声楽家として活躍し、また夫・宗悦の仕事を物心両面にわたり支えた柳兼子(1892–1984)。かつて音楽室として使われていたこの記念室では使用していたピアノをはじめ、自筆楽譜、演奏会プログラム、ポスターなどの資料を随時展示し、その生涯を顕彰します。 開館日カレンダー