日本民藝館

展示

併設展

2017年4月4日(火)–6月18日(日)

特別展:江戸期の民藝—暮らしに息づく美

本館1階

玄関回廊江戸期の民藝—漆器と磁器

朱色も鮮やかな漆絵の椀や盆、箔置の模様を施した片口。そして、涼やかな白磁の素地に呉須で絵付けした、古伊万里の染付の優品を紹介します。いずれも日本人が暮らしの中で培ってきた独自の美意識が、「形」となり「色」となり、「模様」となったといえましょう。

第1室明治・大正・昭和時代の陶器

当館が所蔵する日本の陶器は九州や山陰・中部・東北ほか、日本各地で作られたものです。主に民衆の普段使いに供した品々で、民窯と呼ばれた窯で生まれました。本室では明治以降に作られたものに焦点を絞り、江戸期の伝統を新たに開花させた作物等を紹介します。

第2室アフリカの造形

1980年代以降集中的に蒐集された当館所蔵のアフリカの工芸品類。多様な表情を見せる仮面・ラフィアや樹皮を用いた衣装類・陶器の壺・ナイフ形の貨幣等、みな生活に根差した造形で、その多くは信仰や祈りと深く関わり原始の息吹を今に伝えています。

第3室ベトナムの染織

多民族国家ベトナムには政府が公認した民族が54あり、その多くは北部山地から中部高原に分布居住しています。1987年頃に現地で蒐集し、このたび日本民藝館に寄贈されたベトナムの染織品のなかから、諸民族の特徴ある衣裳や織物を展示紹介します。

本館2階

第1室技法から見た朝鮮工芸
—「彫る」「刻む」

当館創設者・柳宗悦が朝鮮陶磁に初めて出会った際の驚きは、その「形状美(shape)」でした。本展示では石仏などの彫像や、彫塑的な陶磁器に見られる「形状美」に注目し、さらに「浮彫」「陽刻」「搔落」「象嵌」などの彫刻的技法を伴った工芸品を併せて展示します。

第2室朝鮮陶磁
—高麗から朝鮮時代前期まで—

高麗時代に青磁の生産が始まった朝鮮半島では、朝鮮時代に入ると粉青沙器(白い化粧土を用いたやきもの、三島手)、白磁など多様な陶磁器が生まれます。今回の展示では、青磁から白磁へと移行する過渡期にあった粉青沙器を中心に、朝鮮半島の焼物を概観します。

第3室江戸期の民藝
—屏風絵や丹緑本を中心に

曽我五郎・十郎兄弟による仇討ちを題材とした、躍動感のある筆致が見事な曽我物語屏風。御伽草子や仮名草子等の墨刷りの版本に簡単な彩色を施した、端正な美しさが魅力の丹緑本等。当館が所蔵する民画の代表ともいえる大津絵や泥絵・絵馬以外の江戸期の絵画を紹介します。

第4室河井寛次郎と濱田庄司

1925年に柳宗悦が河井寛次郎、濱田庄司らとともに提唱した民藝運動は、その後、彼らの深い交流と厚い信頼を通じて発展していきました。京都と益子それぞれの地で作陶に励んだ河井と濱田。本展示室では、当館所蔵の2人の作品の中から約50点紹介します。

西館(旧柳宗悦邸)※西館公開日のみご覧いただけます。

2階柳宗悦記念室

日本を代表する思想家で、日本民藝館の創設者である柳宗悦(1889–1961)。この「柳宗悦記念室」では宗悦の身辺の品や、アルバム写真、自筆原稿、出版物などの資料を展示して、その生涯を顕彰します。

1階柳兼子記念室

女性声楽家として活躍し、また夫・宗悦の仕事を物心両面にわたり支えた柳兼子(1892–1984)。かつて音楽室として使われていたこの記念室では使用していたピアノをはじめ、自筆楽譜、演奏会プログラム、ポスターなどの資料を随時展示し、その生涯を顕彰します。

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