併設展 2018年4月3日(火)–6月24日(日) 特別展:柚木沙弥郎の染色 もようと色彩 本館1階 玄関回廊柚木沙弥郎の染色 もようと色彩 柳宗悦の思想と芹沢銈介作品に啓発され染色家となった柚木沙弥郎(1922–)は、制作の他、後進の育成にも力を注いできました。工芸において模様を作る力が益々脆弱化する現代、柚木が生み出す模様と色彩は、私達の渇きを荒原に湧いた泉のように潤してくれます。 注染水玉文布(部分)木綿 1950年代 第1室鉄絵の陶器 日本のやきものは桃山時代に入ると、九州では唐津、本州では美濃で鉄絵具による絵付がなされるようになり、装飾表現の幅が飛躍的に広がります。本展示室では、鉄絵具を用いて筆で描いた鉄絵技法のやきものを中心に、約50点を紹介します。 鉄絵蓮池水禽文鉢美濃 桃山時代 16世紀径32.0cm 第2室錠前と船箪笥 江戸時代から明治時代にかけ、日本海を航行した商船・北前船では航海の必需品として、海に投げ出されても浮かんで回収されると言われる船箪笥が積載されていました。堅牢で複雑な金具で飾られた船箪笥などの小型の箪笥と、錠前金具や鍵を中心に展示します。 船箪笥(前面部分)江戸時代 19世紀 第3室柚木沙弥郎の染色 もようと色彩 型染布「喜びの鳥」(部分)紬 1983年 本館2階 第1室朝鮮の諸工芸 柳宗悦は、朝鮮工芸の美しさの特質に「曲線の美しさ」を挙げています。朝鮮陶磁器はもちろん、朝鮮諸工芸の中の「机の足、抽斗(ひきだし)の環、扇の柄、小刀の鞘にも彼等の心が潜んでいる」と柳は語っています。こうした朝鮮半島の諸工芸の数々を紹介します。 透彫弁当箱朝鮮時代 19世紀高27.4cm 第2室民藝運動第二世代の作家たち 当館では、柳宗悦や陶芸家の河井寛次郎、濱田庄司らが牽引した民藝運動に大きな影響を受け創作活動を進めた工芸作家の作品も所蔵しています。本室では、鈴木繁男、武内晴二郎、舩木道忠・研兒親子ら柚木と同時代に活躍した第二世代の作家の仕事を紹介します。 呉須地丸文鉄流鉢武内晴二郎 1958年径35.5cm 第3室柚木沙弥郎の染色と館所蔵品 柚木沙弥郎作品の特質は何といっても、生命感のある模様と鮮やかな色彩でしょう。明るく生き生きしたその造形は力強さと品格をも兼ね備えています。本室では館所蔵品の中から、特にプリミティブな工芸品を選び柚木作品と併設、両者が放つ光彩の共演をご覧いただきます。 型染布「2016・12」(部分)木綿 2016年 第4室日本の漆工芸 当館の所蔵する室町時代から江戸時代に至る漆器の優品を展示します。朱塗の椀や盆、朱漆で文様が施された漆絵の瓶子や箱、盆、椀、そして漆絵に金箔を施した秀衡椀や、螺鈿や卵殻で模様をあしらった箱など、日本で独自の発展をとげた漆工芸の美を紹介します。 漆絵栗文瓶子〔新収蔵品〕室町時代 高36.5cm 西館(旧柳宗悦邸)※西館公開日のみご覧いただけます。 2階柳宗悦記念室 日本を代表する思想家で、日本民藝館の創設者である柳宗悦(1889–1961)。この「柳宗悦記念室」では宗悦の身辺の品や、アルバム写真、自筆原稿、出版物などの資料を展示して、その生涯を顕彰します。 1階柳兼子記念室 女性声楽家として活躍し、また夫・宗悦の仕事を物心両面にわたり支えた柳兼子(1892–1984)。かつて音楽室として使われていたこの記念室では使用していたピアノをはじめ、自筆楽譜、演奏会プログラム、ポスターなどの資料を随時展示し、その生涯を顕彰します。 開館日カレンダー