朝鮮半島の絵画 朝鮮時代中期から後期に描かれた絵画類約200点を収蔵。 その多くは、民間の無名の絵師によって描かれたもので、生活の中で用いられてきた。それらは民画と呼ばれ、宮廷画家の絵画(官画)とは趣を異にする、おおらかな筆遣いで表現されている。民画の種類には、子供の部屋に飾られた儒教の徳目を表す文字を絵画化した「文字絵」や、主人の書斎に飾られた「文房図」や「山水図」、夫婦の部屋に飾られた「蓮華図」、婚礼の席や婦人の部屋などに飾られた「牡丹図」や「花鳥画」、祝の席を飾った「十長生図」、魔除けや災い除けとして家の門や玄関に掲げられた「虎図」などがあり、屏風や軸にして用いられていた。朝鮮半島では絵画が暮らしに溶け込んでおり、それが故に朝鮮固有の様式美が生まれた。 また、当館には朝鮮時代を代表する文人画家の一人である李厳の筆になる「花下狗子図」や、記録画の一つである「宣伝官庁契会図」など官画の逸品も収蔵している。 蓮華図 花下狗子図 草虫図 山神図 冊架文房図屏風 瀟湘八景図 洞庭秋月 花鳥図 宣伝官庁契会図 文字絵 義 十長生図屏風