特別展 柳宗悦唯一の内弟子 鈴木繁男展 ―手と眼の創作 2024年1月14日(日)―3月20日(水・祝) その才能を柳宗悦によって認められた鈴木繁男(1914―2003)は、唯一の内弟子として1935年に入門、柳から工芸や直観について厳しく教育されました。陶磁器、装幀、漆絵など多岐な分野にわたる鈴木作品の特質は、筆や型を用いて施された品格ある模様の独自性でしょう。本展は没後20年に合わせ、工芸家・鈴木繁男の手と眼による仕事を顕彰するものです。 『鈴木繁男 手と眼の創作』 編集・日本民藝館学芸部〔カラー95頁、モノクロ86頁・税込2,530円・2024年1月14日発行〕 金蒔絵師の次男として静岡市に生まれた鈴木繁男(1914―2003)は幼少期から漆芸を仕込まれ、模様を生む能力を育んでいました。その才能をいち早く認めた柳宗悦(1889―1961)は唯一の内弟子として1935年に鈴木を入門させます。柳から工藝や直観について厳しく教育され、開館前の日本民藝館陳列ケースや展示台への拭漆塗りなどもおこないました。鈴木の仕事が初めて衆目を集めたのは雑誌『工藝』の装幀で、和紙に漆で描かれたその表紙は多くの民藝運動の関係者や読者を驚かせたのです。その後、沖縄県・壺屋の素地に上絵を付けたことで始まった陶磁器制作は、愛媛県・砥部や愛知県・瀬戸本業窯などの伝統的な産地や、地元静岡県・磐田に築いたの窯で、彩り豊かな花を咲かせました。そして、各種の漆絵や樺細工、柳著作の装幀、名号などの文字、ポスターの意匠など、多岐な分野で優れた作品を残していきます。 鈴木作品の特質は筆や型を用いて施された模様の独自性でしょう。古今の工藝品から滋養分を受取り、それを十分に咀嚼して生んだ品格ある模様は、今も燦然たる光彩を放っています。また、柳に鍛えられた眼による創作も忘れてはなりません。鈴木が蒐めた古作の優品は当館のコレクションにも散見でき、それは、所蔵品の中で確かな位置を占めています。本書は没後20年の節目に合わせ、これまで認知されることの少なかった工藝家・鈴木繁男の手と眼による創作を提示し、約半世紀にわたる多彩な仕事を顕彰するものです。 日本民藝館ミュージアムショップまたはオンラインショップでお買い求め頂けます 併設展示 関連企画 開館日カレンダー 展覧会案内PDFダウンロード 主な展示品 鈴木繁男作染付インク壺 産地=砥部・川登窯 1955年 6.5×7.3cm 個人蔵 鈴木繁男蒐集絹木綿青地手縞袷着物(部分)首里 琉球王国時代 18世紀後半~19世紀初期 日本民藝館蔵 鈴木繁男作色絵草花文皿 素地=壺屋 絵付=鈴木繁男(蒲田・芹沢工房) 1939年 径32.2cm 日本民藝館蔵 鈴木繁男作呉須打掛皿 砥部 1955‐1959年 径32.0cm 日本民藝館蔵 鈴木繁男作久能団扇(部分) 1950年頃 日本民藝館蔵 鈴木繁男装幀柳宗悦著『南无阿弥陀佛』 1955年 21.5×16.1cm 日本民藝館蔵 鈴木繁男装幀柳宗悦編『今も続く朝鮮の工藝』 1947年 20.6×15.5cm 日本民藝館蔵 鈴木繁男蒐集 灰釉蓮弁文壺 渥美 平安時代末期 高43.5cm 日本民藝館蔵 鈴木繁男作灰釉呉須差櫛描皿 瀬戸本業窯 1960年 5.2×24.5cm 瀬戸民藝館蔵 記念講演会 鈴木繁男先生の思い出 【定員に達した為、申し込みを締め切りました】 ※会場準備のため、17:00–17:45頃まで大展示室を閉鎖致します。展示をご覧になりたい方は、16:30頃より受付致しますので、お早めにご来館ください。その際、講演会にお申し込みであることを必ずお申し出ください。尚、展示室は講演会終了後、20:00までご覧いただくことができます。 講師 柴田雅章(しばたまさあき) 作陶家 日時 2024年3月16日(土)18:00-19:30 参加費 300円(別途入館料が必要です) 定員 60名(要予約) 問合先 日本民藝館 〒153-0041 東京都目黒区駒場4丁目3番33号 TEL 03-3467-4527(10:00~17:00) 展覧会情報 開館時間・休館日 10:00–17:00(最終入館は16:30まで) 毎週月曜日休館 開館日カレンダー 入館料 一般 大高生 中小生 1,200円(1,000円) 700円(600円) 200円(150円) 展示室 本館大展示室 他 次回開催 古染付と中国工芸 2024年3月30日(土)―6月2日(日) 展示詳細