日本の絵画 絵画・版画・拓本・書蹟など、約1,000点を収蔵。 中核となるのは江戸時代の民画である。「民画」とは、土産物や奉納品などとして実際に使用するために量産された絵で、工芸に近い性質を持つ絵画のこと。長崎・大阪・江戸などの地域で盛んに描かれた泥絵、人々が祈りを込めて神社に奉納した絵馬、そして滋賀県の大津周辺で描かれた大津絵は、1986年に米浪庄弌氏による多くの寄贈品が加わり、日本屈指のコレクションとして知られている。そのほか、板ガラスの裏面に風景などを描いたガラス絵、庶民向けの説話画である奈良絵、かるた、羽子板なども、特色ある民画である。 中世の絵画では、「浦島絵巻」「築島物語絵巻」などの御伽草子絵巻のほか、室町時代の水墨画や、鎌倉~室町時代の仏教絵画を所蔵している。 版画では、社寺仏閣で製作された鎌倉~江戸時代の仏版画を中心に、色鮮やかな版本「丹緑本」などがあり、書蹟では「六字名号」(伝一遍筆・鎌倉時代)や経典類、そして石仏や名号碑から採択した拓本などを所蔵している。