日本の陶磁 日本の古陶磁や、近現代の陶磁など、約3,800点を収蔵。 所蔵品の大部分は江戸時代~現代に至る「民窯」の陶磁である。民窯とは民間窯業の略称で官窯に対する語。大半が甕や壺・徳利・碗・皿などの実用品で産地は全国に及ぶ。また「茶陶」「在銘陶」が殆どないことも特色といえる。 古陶磁の核をなしているのは、伊万里・唐津・小代・薩摩などの九州諸窯の陶磁、様々な生活用具が生れた瀬戸・美濃の陶磁、そして丹波の陶器である。中でも昭和前期から30年代に集中的に蒐集した丹波古陶は、鎌倉~江戸時代に多彩な手法で作られた焼物で、所蔵の日本陶磁を代表するものだ。 近現代の陶磁は、小鹿田・苗代川・多々良などの九州諸窯の陶器、布志名・牛ノ戸などの山陰諸窯の陶器、益子・堤などの関東・東北地方の陶器、そのほか各地の窯場で作られたものを数多く蒐めている。いずれも民藝運動の中で見出された当館の大切な収蔵品である。また縄文・弥生時代の土器や平安~桃山時代に作られた陶器も点数は少ないが優品を所蔵している。