日本民藝館

展示

併設展

2013年8月27日(火)–11月21日(木)

特別展:柳宗理の見てきたもの

本館1階

玄関回廊特別展 柳宗理の見てきたもの
—アフリカの布を中心に

絞りに代表されるアフリカの布は、主として儀式などの際に用いられたものです。これらは民族固有の伝統や風土の中から生まれたものであり、宗理は力強い生命感や呪術性を秘めたこのような造形に強い関心を示したのです。

第1室スリップウェアと欧米の古陶

化粧土(スリップ)で装飾し、鉛釉を掛け低火度で焼いたスリップウェア。特に英国では18~19世紀にかけて、簡素な抽象文の皿や鉢など、無銘のスリップウェアが数多く生産されました。民藝運動で注目されたこれら英国の陶器を、欧米の陶器を交えて紹介します。

第2室日本の民窯

九州や関東、東北の諸窯・丹波・瀬戸等、日本各地で作られた民窯の優品を紹介します。民窯とは民衆が使用した器を焼く窯のことで、官窯に対する言葉でもあります。これらの焼物は、自然の恩恵を深く受けた材料と手法を用い、健やかで豊かな美しさを宿しています。

第3室特別展 柳宗理の見てきたもの
—柳家の食卓

柳宗理遺贈品には、柳宗悦が蒐集した、富本憲吉や河井寛次郎、濱田庄司等の作品、さらに民窯の焼物が多数含まれていました。それらは宗悦一家が普段使いにしていた魅力ある食器です。嘗て柳家の食卓を彩った器たちを、当館所蔵品と共に展示紹介します。

本館2階

第1室朝鮮時代の磁器

日本民藝館所蔵の朝鮮陶磁器は約600点に及びますが、そのほとんどは柳宗悦が愛し、蒐集したものです。朝鮮陶磁の歴史をすべて網羅しているわけではありませんが、その独自の審美眼は、いまだに色あせず私たちにその魅力を伝え続けています。今回は、朝鮮時代の磁器を中心に紹介いたします。

第2室田島隆夫の地機織

田島隆夫(1926–1996)は埼玉県行田市で、地機(腰機)で千点にものぼる帯や着尺を織りました。どれも地元の農家で引いた素朴でふくらみのある絹糸を植物染料で染めた、縞や格子の単純な柄の織物です。糸の持ち味を十分に生かし、人機一体で織られた地機ならではの布の魅力をご堪能ください。

第3室特別展 柳宗理の見てきたもの
—花紋折りを中心に

花紋折りは内山光弘氏が考案した折り紙です。宗理は初めて見た花紋折りに、日本の伝統的形態の姿とモダンで新鮮な美を見出しました。また、雛凧とは正月や節句などの飾り物として使われた小形の凧で、宗理はその美しさに魅了されたのです。

第4室神と仏の造形

江戸時代後期、全国を遊行し多くの作仏を為した木喰明満。第4室では、木喰仏のほか、名もない人々が刻み民間で祀られた神仏像や奉納面を中心に、社寺に伝来した什器や法具を併せ、神仏にまつわる造形約50点を展観します。

西館(旧柳宗悦邸)※西館公開日のみご覧いただけます。

2階柳宗悦記念室

日本を代表する思想家で、日本民藝館の創設者である柳宗悦(1889–1936)。この「柳宗悦記念室」では宗悦の身辺の品や、アルバム写真、自筆原稿、出版物などの資料を展示して、その生涯を顕彰します。

1階柳兼子記念室

女性声楽家として活躍し、また夫・宗悦の仕事を物心両面にわたり支えた柳兼子(1892–1984)。かつて音楽室として使われていたこの記念室では使用していたピアノをはじめ、自筆楽譜、演奏会プログラム、ポスターなどの資料を随時展示し、その生涯を顕彰します。

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